在宅で親の介護をしていると、毎日の見守りやお世話で家族も疲れが溜まります。
「少し休みたい」「仕事や用事で数日家を空けたい」そんなときに頼れるのがショートステイです。
この記事では、実際に父をショートステイに預けた初めての流れと体験談に加え、
制度面の注意点や費用についてもまとめます。
ショートステイとは?
ショートステイは、要介護認定を受けた方が介護施設に短期間宿泊できる介護保険サービスです。
利用できる人
- 要介護1〜5の方(介護認定済み)
- 要支援1・2の方でも「介護予防短期入所生活介護」として利用できる場合あり
ショートステイの種類
- 短期入所生活介護(特養などで生活全般の支援)
- 短期入所療養介護(医療ケアやリハビリが必要な方向け)
利用日数の目安
原則連続30日まで。その後も更新すれば繰り返し利用できます。
利用期間の制限に注意
ショートステイは介護認定期間の「半分」までしか利用できないというルールがあります。
- 介護認定期間が1年の場合 → ショートステイは半年まで利用可能
- 介護認定期間が3年の場合 → ショートステイは1年半まで利用可能
例えば、最初の半年で上限まで使ってしまうと、その後の半年間は自宅介護のみになってしまいます。
利用計画を立てる際には、この点を必ずケアマネと確認しておくことが大切です。
介護認定の流れについては、要介護認定の体験談まとめの記事で詳しく解説しています。
申し込みの流れ(我が家の場合)
- ケアマネに相談:利用希望を伝える
- 施設探し:空きがあるところを候補に
- 書類準備:診療情報や薬の説明書、介護度の確認
- 利用日決定:ケアマネを通じて予約
初めてだったので、ケアマネさんがほぼ手取り足取りサポートしてくれました。
実際に利用してみた体験談
父は要介護4・認知症・オムツ介護あり。
最初は「知らない場所に泊まれるのか?」と心配でした。
そこで、最初は1泊2日や2泊3日といった短期のショートステイから始めました。
“お試し”のような感覚で、施設の雰囲気や流れを知ることができました。
その後、母が骨粗鬆症で骨折して介護ができなくなり、
平日の月曜から金曜まで連続利用するようになりました。
最初に短期から慣らしていたおかげで、本人もスムーズに受け入れられたと思います。
無理に最初からロングステイにせず、数日の宿泊から少しずつ始めると安心です。
家族も本人も徐々に慣れていけるのでおすすめです。
送迎は施設が対応してくれたので、移動の負担がなくとても助かりました。
本人の反応
父は軽い認知症があり、自分がなぜそこにいるのかが分からなくなる状態でした。
そのため「受け入れていた」というよりは、よく分からないままショートステイに通っているという感じでした。
夜は日によって違いがあり、ぐっすり眠れるときもあれば、あまり眠れない日もあったそうです。
実際の感想を父に聞くのは、正直「行きたくない」と言われるのが怖くて避けています。
これも介護をしている家族のリアルな気持ちだと思います。
家族側の気持ち
初めてショートステイを利用するとき、よく「家族が罪悪感を持つ」と言われます。
でも私たちの場合は正直、罪悪感よりも安心感のほうが強かったです。
昼間、母と2人きりで過ごすよりも、ショートステイでスタッフに囲まれていたほうが父にとって安全だと感じました。
何かあったときにしっかり対応してもらえる環境のほうが、本人のためにもなると思えたのです。
さらに、自分たち家族も介護から少し解放され、余計な心配をせずに休める時間をもらえました。
「無理して自宅で抱え込むより、外部の力を借りたほうがいい」と実感しました。
施設のサポート体制
利用して感じたのは、スタッフさんがとても親身になって接してくれていることです。
父の様子や体調をしっかり気にかけてくれ、家族としても安心できました。
食事や服薬の管理も任せられるので、在宅介護だけでは難しい部分を補ってもらえるのは大きな支えになっています。
持ち物リスト(我が家の場合)
- 着替え(日数分)
└ 3セットほどあればOK。2泊以上なら施設で洗濯してくれるので、洗って使い回してもらえます。 - お薬(日数分)+説明書
- 洗面用具
└ 歯ブラシ、コップ、髭剃り、入れ歯洗浄剤(ポリデントなど) - うち履き(室内用のスリッパや靴)
オムツやタオル類は施設側で用意されているものを利用しています。
そのため基本的には持ち込み不要で、とても助かっています。
ただし、必要な持ち物は施設によって異なる場合があります。
必ず事前にケアマネや施設に確認しておくと安心です。
特に薬・洗面用具・うち履きは忘れやすい必須アイテムです。
私は一度薬を入れ忘れてしまいましたが、施設からすぐ連絡をいただき安心できました。
利用して気づいたこと
ショートステイを利用して実感したのは、家族の負担が大きく減るということです。
確かに、本人は「できれば家にいたい」と思っているかもしれません。
でも、無理に自宅で介護を続けると、父も昼間に何かあっても誰も助けられないし、
自分たち家族も常に父のことを気にかけ続けて休まる時間がありません。
それでは本人も家族も誰も得をしないと感じました。
ショートステイを利用することは、今のように共働きで大半が会社員として働く時代にはとても大切なことだと思います。
費用はどれくらい?
我が家の場合、介護保険が適用され1日あたり2,000〜3,000円程度でした。
これに加えて「食費・おやつ代」「日用品(ティッシュなど)」が別途かかります。
また、所得に応じて「補足給付(食費・居住費の負担軽減制度)」が使える場合もあります。
詳細はケアマネや市町村に確認しましょう。
まとめ
初めてのショートステイは不安もありましたが、結果的には家族にとっても休息になる大事な時間でした。
制度的なルールや制限もあるので、ケアマネと相談しながら計画的に利用するのがおすすめです。
介護の工夫については、介護で役立つ小技5選の記事でも紹介しています。